2021/05/20
昨日は父の命日。
いつもは、父の好きなカサブランカだったけれど、
ことしは、綺麗な蘭の花に目が止まった。
白、黄色、ピンク、えんじ色、紫、それぞれ二本ずつと、樒
少し高級だけど、黄色の蘭が特に綺麗だ。
車で1時間程でお墓に着く。
小さな草が玉砂利の中から少し芽をだしている。
たわしで水受けの部分を擦り、
二つの墓石に同じように
花を筒に入れる。
お墓から実家に行くと、
お母さんが「ありがとう~お墓に行って来てくれたの?」
と
玄関を開けた下駄箱の上の母の写真が言う。
家中の窓を開け風を入れる。
二階から掃除機をかける。
階段を降りて、一階の仏間
続いて、台所、お風呂、居間、トイレの床を拭いて、
持参したお弁当とお茶を飲み、
ふと、本箱の扉を開けた
父のメモ帳が
こんなところに
鉛筆書きの父の文字が懐かしい
バッグにしまって
ゴミ袋を持って
ブレーカーを落として
下駄箱の上の母の写真に
またね
と声を掛け
鍵をかける
帰宅して、父のメモを読む
入院して手術して
退院
きれいな文字で
その頃の父の様子が記されている。
私への感謝の言葉を見つけた時、
苦痛や弱音を一度も口にしなかった父の心情が、今更ながら、私の胸をうつ。
もう、こんなに時が経ったと言うのに。
お父さん、貴方を抱きしめてあげたい。