2021/05/20
まだ、袖を通していないパジャマを、洗って、ハンガーに掛けた。
シルクの花柄のパジャマ。
以前、母が入院した折、シルクのパジャマを買ってあげると、大喜びしてくれた。
絹のものは高価で値打ちのあるものだと、たいそう嬉しそうに着てくれた。
退院後に、自分でも何枚か購入して箪笥にしまっていたのだろう。
新しい下着とパジャマ、バスタオルなど、
いざという時に備えた引き出しの中に
私があげたシルクのパジャマも綺麗に畳んで入っていた。
引き出しを開けて、話しかけたりしていたのではないかと思わせるような、
母の収納の仕方が可愛いかった。
可愛いものが好きだったし
ふわふわした犬の縫いぐるみの垂れた耳に、光るものを見つけた時は、何故か涙が込み上げた。
イヤリングを母が縫い付けていたのだ。
1人暮らしをこうして、過ごしていたのだろうか。
可愛い縫いぐるみや
可愛いハンカチ、根付け、素朴なもの
引き出しの中に、母の箱庭のような世界があった。
6月14日、3年経った。